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2012年05月15日

文化財的釣りの本「魚の釣り方」2

昨日は雷鳴ってるっぽいので、作業中止して「魚の釣り方」を読んでみた。


昭和25年発行ということもあり、旧漢字に古い仮名遣い。
これも楽しみながら読み進める。


さて、この本にかなりの好感を持ったのは、当時の技術云々ではなく、魚のことや自然現象のことから入っていることだ。
今手元にないのだけど、「釣りをするには、まずは相手(魚)を知らなくてはならない。相手を知らずに釣りへ望むことは、かの世界戦争のように、無謀なことである」旨の2行から始まり、魚の視力や聴力、水中での色の減衰や天気等との関係などに触れてから、それぞれの釣り魚の習性、道具、釣り方という順に触れている。


釣り物それぞれがクローズアップされ研究されている現代においては、たとえば雑誌などで道具から入る傾向に、強い懸念を抱いている。魚種ごとの説明は不要、と感じてしまうかもしれないけど、それは否だと思う。


それぞれの釣り人が、どこまで魚のことを知っているのかは、この本の冒頭にあるように重要な技術であると思うし、本の随所にある釣り人の心理や自然を読んだ美しい文のなかに感じさせる、”大切なもの”を守る気持ちを育むことになる。
道具から入る釣りを続けていると、必ず何らかの反動が帰ってくると思う。


この本では、今流行っている釣りのルーツを知ることができるし、また、冷凍設備が不十分でオキアミやサンマが流通していない時代に、釣り人が並々ならぬ努力をして、餌の確保や釣り方に工夫を凝らしている様子も読み解くことができる。
そもそも、前の日記にも書いたが、終戦5年でこの本が発行されていることに驚く。

「最新のリール」として、びっちゅうさんやBトラさんが喜びそうな道具のカットなども掲載されているが、基本的に手バネ竿などでのつり方が紹介されている。しかし、基本はなんら変わらないし、テンヤなど現代にフィードバックされている釣具もある。


最新・流行の道具から入る釣りをしている人には、古めかしく読む気も起きないかもしれない。
しかし、こうした釣り人にこそ、是非とも目を通していただきたい、すばらしい本であると思う。
必ず力になるし、今後の釣り場環境で必ず考えなくてはならない、色々な情報が詰まっている。

この本に出会うこととなったS.A.N、出品者のトキシンさんに改めて感謝申し上げたい。


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Posted by モソの中の人 at 09:27 │釣り